むくちゃん1

私の家の犬「むくちゃん」は、捨て犬でした。近所の雌犬「白ちゃん」が散歩しているとき、母親恋しさに付いて帰ってしまったようです。

白ちゃんも母性が目覚めたのか我が子のようにかわいがっていました。白ちゃんの飼い主が子犬を飼ってくれる人を探していると聞いた私と母は、「とりあえず見るだけね・・」とその子犬を見に行きました。

子犬を見るなり「かわいー」と母の目は、連れて帰る気に満ちていました。しかし、ふと冷静に子犬を見ると、足が太くがっちりしていました。「この子は、すごく大きくなるんじゃ…」と母は飼うことに不安を感じたようでした。しかし、近所の人々の「大丈夫よ」の無責任な言葉を信じ我が家で飼うことにしました。

白ちゃんと子犬を引き離すとき、お互いきゃんきゃん鳴いて、少し切なくなりました。突然連れて帰ったので、何の準備もありませんでした。ダンボールを下駄箱の下に置き、とりあえずその中住んでもらうことにしました。

その日の夜私達は子犬の名前をああでもないこうでもないと散々話し合い、結局毛がふさふさ、むくむくだからと言う理由で「むくちゃん」と名づけました。

読書など全くすることのなかった私に、"本もなかなか面白い"と思わせてくれたのが、「群ようこ」のエッセイ集でした。その彼女のエッセイ集の中に「トラちゃん」があります。「トラちゃん」は彼女が飼っていた、動物たちの話が書かれてあります。わたしは「トラちゃん」が大好きで、今回少しまねをして、私の身近な動物について書いてみようと思いました。

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