役者と火事と人のため
これまでも何度か「言葉の間違い」について書いてきましたが、今回は間違いの中でも特に恥ずかしいものをご紹介しましょう。もし、これやってたら恥ずかしいですよ。(笑)
「役者不足」と「役不足」を間違えている人が多いです。というか「役者不足」という言葉を知らないんでしょうね。知っていれば、間違える筈が無いと思われるのですが・・・。間違えると恥ずかしいというか相手に対して失礼です。
よく使われる誤用には、何か大役を任せられた際に「私なんかでは、役不足ですからお断り出来ませんか?」という様に、私では力不足なので、そんな大役は務まりませんと言ってると思ってませんか?でも、実はこれ大間違いです。
言葉の意味は、読んで字のごとく「役者が足りない」か「役が足りない」かです。「役不足」というのは本来「素晴らしい役者さんなのに、やっていただく役柄が足りない」という意味です。なので、前述の答弁では、自分を卑下するどころか「私がやる様な仕事じゃ無い。他の奴にやらせろ」という意味になります。
「対岸の火事」と「他山の石」これを誤用する人は少ないのですが(「他山の石」という言葉をあまり使わないからだと思われますが。)わざわざこれを使って間違えていると相当恥ずかしいので気をつけて下さい。
「対岸の火事」は、もちろん「自分には関係無い」「何の影響も無い」という意味ですが、「他山の石」は「つまらない石でも、自分の玉を磨く材料になる」という意味。簡単に言うと「人の誤った行動も、自分の行動の参考になる」という意味です。これもまったく意味が違いますので、わざわざこの言葉を使って間違ってると相当恥ずかしいですからお気をつけ下さい。
「情けは人のためならず」というのは、本来「人のためになることをしていれば、いずれ自分の身に良いことが返ってくる」という意味ですが「情けをかけることは、その人のためにならない(ので、情けは無用。)」と誤用されることがあります。この言葉は、よく使われるだけに、誤った使い方をしている人が沢山おられます。心当たりはありませんか?(笑)
あっ、でも誰かの間違いを教えてあげるつもりなら「TPO」をよく考えて下さいね。親切心が徒になることもありますから。まあ、少しぐらいの間違いに目くじら立てるより、気付かないふりをした方が「自分のため」なのかも知れません。ああ、大人って難しい。(笑)